おやき「うしこし」
松本に行ったら必ず買うもの、日本酒、山賊焼き、そしておやき。
私たちがおやきの美味しさに目覚めた「田舎おやき」という思い出のお店があるのですが、それはまた今度ご紹介するとして。
今回は、美味しいおやきを食べたくて調べた有名店「うしこし」。珍しい石焼きおやきのお店で、安曇野市豊科田沢の住宅街の「こんなところにあるの?」という場所に急に現れます。
今日は久江さんと一緒の安曇野探訪で立ち寄りました。ちょうど正午ごろ。
実は過去に4〜5回足を運んだけど、午後だったこともあっていつも売り切れ。「もうこのまま食べられないんじゃないの……」という我々の幻の店だったのです。
まずびっくりしたのは、地元の女性が6〜7人で忙しく働いていたこと。てっきり1〜2人で回すこぢんまりとしたお店かと思ったら、全員が忙しそうに厨房で働いていました。
奥には石焼きの焼き場が広がっています。全然わからないけど本格的な感じがする!
メニューは、黒糖・かぼちゃ・チーズ・切り干大根・あんこ・激辛・野菜ミックス・おな・なすで1個220円。
こだわりの数種類のみを置いているかと思いきや、バリエーション豊富でびっくり。「おな」は、野沢菜だそうです。なんかかわいい。
気持ちは38歳で作っているですって(カワイイ!)
― やっと買うことができたんです! いつも売り切れで。
あらーそれはごめんなさいね! 地元の人も多いけど観光客の方も結構多くて、いつも昼過ぎには売り切れちゃうのよ。もう一日何個仕込んでいるのかわからないくらいだわ。
― そんなに人気なんですね。何味がおすすめですか?
一番人気なのはなすかな。私は野菜ミックスが好きよ! 見た目はアレだけど、地粉100%で結構こだわっているのよ。これでも(笑)
― みなさんご近所の方なんですか?
だいたいいつも5〜6人で回しているね。近所の人もいるし、彼女なんか(奥のお母さんを指して)松本城の近くに住んでいるのよ。
― え、すごい! 結構時間かかりますよね(松本の地理わからないけどそれくらいはわかる)
そうなのよー、もうみんな歳だから体力が持たなくてね。気持ちは38歳なんだけどね!
お忙しそうだったのであまりお話できなかったけど、明るくて気のいいお母さん方でした。おおらかで、優しくて、こんなに元気な“おばちゃんたち”とお話したのは久しぶり。思わぬ癒し効果。
奥の休憩所でむさぼる
お店の奥に、買ったおやきを食べられる休み処がありました。出入り自由で店員さんはおらず、見た目は小さな集会所みたい。お店に隠れていて気づきにくいのでご注意ください。
さて、久江さんになすを食べていただきましょう。
「熱い、熱いよ、あちちち!」
「生地がすごいね、むっちりしてるね」
「なすが大きい!」
「生地がすごいねぇ。すごく練っているのかしら、ガワがすごい」
一口食べるごとに「ガワがすごい」「うーん」「このガワはおいしい」「いやーすごい」と、しきりにガワを賞賛する久江さん。よっぽどだね。
出ました、美味しいものを食べているときの無表情。
真剣に感想を話してくれるので、眉間に皺が寄りがちです。
私もなすをいただきます。
なるほど!
久江さんが「ガワがガワが」と言うのも頷ける、ものすごくむっちりとした密度の高い生地。外は焦げてこんがりパリッとしているのに、中は「これ本当に同じ食べ物?」というくらいぎゅっとしてる。
パンのようなふんわり生地が好みの人はそこまでハマらないかもしれないですが、私たち3人は大好きです。
修二さんも「すごくいいパン屋さんでもっちりとした焼きたてのエピを食べたような感じ。絵も言われぬ美味しさ」と表現。焼きたてのエピがわからないけど、興奮気味に話しているのできっとすごく美味しいということなんでしょう。
なすは味噌ベースの濃いめの味付けで、生地と一緒に食べるとちょうどいい美味しさ。とろけたなすがゴロっと大きくて、口の中に頬張ったときの幸福感がすごい。
お次はチーズ。この世で一番好きな食べ物がチーズの私としては外せないのです。
この焼印もかわいいよね。野沢菜には「おな」と書いてあって、何か間違えているのかと思いました。
なすと同じく塩味がしっかりあるので、生地と一緒に食べるとちょうどいい。ねっとりチーズとむっちり生地の歯ざわりも楽しくて、洋風の料理を食べているみたい。でもピザやパンとは違う、新しい感覚。
こちらは激辛。私は辛いのが苦手なので食べておらず、わかりません。
行くなら午前中、食べるなら熱々を休み処で
……にしても熱い、一口目のようにずっと熱い。これが石焼きの成せる技? 焼きたてがめちゃくちゃ美味しくて、そのめちゃくちゃ美味しい状態が長続きするわけだから、こんなに嬉しいことはないのですよ。こんなに熱さが長続きしている食べ物って初めてかも。
というわけで、午前中に行ってできたてを休み処が食べるのが断然おすすめです。でもここまで熱々なので、持ち帰ってももちろん温かい状態で食べられます。
ちなみに休み処にはポットと紙コップがあるので、無料でお茶がいただけます。
電子レンジがあるので、少し冷めてしまっても大丈夫。
あー、書いていたらまた食べたくなってきた。早く食べに行けますように! 以上、2020年末、帰省を控えたある日の夜にお届けしました。
お店情報
<営業時間>
9:30~売り切れ次第閉店
なくなり次第終了
<定休日>
水曜日
<住所・アクセス>
安曇野市豊科田沢7038-21
・駅・バス停からのアクセス
田沢駅から832m
<電話番号>
0263-72-6318
<その他情報>
予約・お取り置き 聞き忘れました…
支払い方法 現金
イートインスペース あり(休み処)
ドリンクメニュー 休み処のポットのお茶
ちなみに自転車も歓迎
駐車場もあります
おまけ
駐車場裏手の土手から景色を眺める久江さん