番外編、お墓の話です。
松本に訪れるたびに必ず足を運ぶのが、お墓。夫とふたりだったり、久江さんと3人だったり、もっと人がいたり。時期を問わず足を運びます。
松本に遊びにくるようになって6年くらいですが、本当に毎回くるので、私の実家親族のお墓よりも参ってるんじゃないかと思います。
私はお墓参りが好きではありませんでした。往復では激しい車酔いをし、ちょっと墓に立ち寄った後は大きな家で知らない大人に囲まれ、何時間もじっとしていなきゃいけない。当時は何も理解していなかったけど、そこは本家という場所だったので、頼みの両親も私や弟よりその大人たちを大事にしている。嫌な感じ。
幼い私にとって「お墓参り」とは、お墓に手を合わせて故人を偲ぶものではなく、ただただ憂鬱な行事だったのです。だから大人になった今も、「お墓参り」というだけでなぜか嫌な気持ちが胸に広がるし、何ならお墓になんか入りたくないし、私みたいな思いを自分の家族にさせたくないと思う。関係ないのにね。
それだけに、松本のお墓参りには驚きました。
買い物のついでにお花を買って、立ち寄ったその霊園は
この開放感。
広い芝生に、お墓、お墓、お墓、お墓…これがあと何面もある。
山に面しているからこその眺望。ずーっとこの景色を眺められる故人がちょっとうらやましくなるほど。
義父は亡くなる前にこのお墓を購入していたそう。今も訪れるたびにすごい勢いでお墓の数が増えていて、一体どこまで増えるんだ。でもここでお墓を買いたくなる気持ち、わかるよ。みんないい買い物してる。難点は、風が強くてお線香になかなか火がつかないことくらいだよ。
夫はお墓をとても大事にしているようで、できるだけ綺麗に掃除しようとするし、長く手を合わせるし、松本で別の場所にあるご先祖のお墓も必ずお参りする。お墓参りを楽しんでいるんじゃないかと思うほどの振る舞いは、この人と付き合ってからの驚きのひとつ。
お墓に入るとか、お墓を守るとか、そういうことに何の使命感も感傷も未だに抱けていないけど、この景色と夫の愛が注がれているこのお墓ならいいかもなあ、なんてちょっと思う今日この頃。