「鳥じん」
松本駅近くにやってきました。飲み屋さんがたくさんあるけど、少し外れたエリアにある焼鳥屋、「鳥じん」。
何度も通いたくなる、松本市街唯一にして最高の酒造「善哉酒造」で、女将さんに「うちのお酒しか置いてないのよ」「とっても美味しい」と紹介されたお店さんです。
善哉酒造を出たのが17時すぎ。自転車で急いで向かいます。
急いだの、大正解。詳しくはあとでお話しますね。
この道、何度も通っているのに気にしたことなかったなぁ…。松本の飲み屋ってこの「間口せまい×のれん=入りにくい」お店多いよね。いつも東京や埼玉で「店内見える×メニュー置いてある=入りやすい」お店に慣れているから、紹介されない限り入らなかったであろうお店。
でも、入ってみて本当によかった! ありがとう善哉酒造の女将さん!
旨いお酒があるよ!
本当に善哉酒造の日本酒だけだった。
店内は、カウンターのみで10席程度のコンパクトな空間。私たちがお邪魔したときは奥に常連さん1組がいらっしゃいました。
(食事が進んだ19時過ぎの様子。あっという間に満席になりました)
「善哉酒造でおすすめされてきたんです」という一声で、大将とも奥様とも、奥にいたご常連ともほぐれました。ご主人はご覧のとおり強面な風貌なので、事前に話を聞いていなければ完全にビビっていたことでしょう。
〜善哉酒造の女将さんによる事前情報〜
(1) 炭火焼きでとっても美味しい
(2) 2代目で、ご主人は公務員を辞めて、先代からこのお店を継いだ
(ここでは掲載を控えますが、公務員を辞めたときにプライベートでもドラマのようなエピソードがあったようです。女将さん、しゃべっちゃっていいの…?)
(3) 打てない本数は打てない
(「だからいつもお肉がないのよ!」と女将さん談)
こちらが「鳥じん」さん。
観光客は少ないお店。空間を壊さないように、でも堂々と入り込み、楽しんでいるという気持ちをしっかり発信するのが観光客のお作法だなーと思います。特にこういう歴史のあるお店はなおのこと。
さて、ありました、「善哉」「女鳥羽の泉」の文字。「鳥じん」というのが、このお店のためにラベルを変えた本醸造のお酒です。
すでにテンションの高い私たちは「さっき飲んできたやつばっかりー! でも飲んじゃうー!」と、考えることをやめて右から左へ飲み干しました。
日本酒以外には、ビール、ハイボール、焼酎、ホッピー、ノンアルコールビール、ウーロン茶などがあります。
こちらが奥様。ご主人もそうですが、照れくさかったのか、笑顔の写真が撮れませんでした…でもはにかんだ笑顔がとても可愛らしい、綺麗な方です。
どうして善哉酒造のお酒だけを出してるのか聞いたところ、「うまいんだよね、色々飲んで探している中で惚れたのがこれだったんですよ。色々出してる店が多いけど、ひとつに絞ったほうがいいと思って」という渋い答えが。
常連さんにも評判がいいそうです。自分のことのように嬉しくなっちゃいますね。
私のよっぱらいメモに「にきゅうしゅがうまい」とありました。わかんないけど、たぶんご主人が話されたんだと思います。
常連さんおすすめの絶品串
串のメニューはこんな感じ。
どうしようと迷っていたら、常連さんがいくつかおすすめしてくれました。そのうちのひとつが、私たちの生涯のお気に入りメニューとなるのでした…。
絶品のタレといただくおすすめ串
【お店おすすめ】レバー(1本200円)
「鳥じん」といえばこのレバーだそう。半生でふわっとねっとり。私たち夫婦は焼鳥のときに必ずレバーを食べるのですが、「なにこれ美味しい!」と顔を見合わせるレベルでした。
ここの焼鳥はタレがメインのようです。このタレ、しつこさがなくて何本も食べられる程よい甘さ。基本的に塩で頼むことが多いのですが、このタレはとても好みです。
ハツ(1本180円)
私はハツや砂肝が好きでよく頼むのですが、結構当たり外れが激しい串だと思っています。これは美味しかったなー。ちょうどいい歯ごたえで、上品なうまみが広がる感じ。
椎茸焼(1本250円)
常連さんおすすめその1。大きくてジューシーな主役系しいたけはわりと口にするのですが、これはその反対。大きすぎず、ちょうどいい歯ごたえとしっかりした味わい。質実剛健なしいたけ、すごーくお酒に合う!
この日はちょうど諏訪湖上花火大会で、テレビ中継をやっていました。台風接近で「絶対に雨降るよー」と言っていたのに、むしろベストに近いコンディションで終了。賭けに勝ったみなさん、おめでとう…
過去3回チャレンジして必ずひどい雨に降られている私たちとしては、なんとも歯がゆい気持ち。
19時過ぎ「残りの串は少ない」――噂は本当だった
串もお酒も進み、いい感じになってきたところでお店に電話。「もうあまり残ってないですけど、それでもよければ」というご主人の声。
えーーー、まだ19時すぎなのに! そりゃ善哉の女将さん、「いつ行っても(串が)ない」って言うわー。ネットで見つけた「いつも空席がなく、ネタが終われば20時でも閉まってしまう幻の店」も事実だわー。
合間を縫ってご主人に聞いてみると、「無理しようと思えばできるけど、本当に打てない数は打てない。だからおすすめを打つようにしています」とのこと。
そのあとにやって来たお客さんには、「あるものでおすすめを焼きますね」とおっしゃっていました。私たちはまだ余裕があったからあれこれ注文できたけど、それはラッキーなことだったんですね。
せせり(1本200円)?
こっちがせせり?別のもの?
野菜の焼き物も頼んだので、順番はご主人にお任せ。もう味覚えてないけど、ずっと「おいしい」しか言ってなかったことは覚えています。臭みは一切なく、炭火焼きなのでお肉はプリプリ。
ズッキーニみそチーズ焼(1本220円)
常連さんのおすすめその2。チーズに覆われていますが、厚みのあるズッキーニがホクホクしてて、味噌&チーズの濃い味ととても合うんです。
そのしょっぱさが残っている口に
お酒を流し込むと、幸せな気持ちになります。「これ日本酒に合うやつ」に美味しい日本酒を合わせたときの高揚感たるや。大人やっててよかったよ。
そしてお次が!
常連さんが真っ先におすすめしてくれて、かつ我々は初体験の味で、そんでもって虜になってしまった鳥じんオリジナルの串です。
桃の肉巻焼(1本300円)
皮を残した桃に大葉と豚バラを巻いてこんがり焼きました。これが美味しいんだ! 甘じょっぱさと、軽く鼻を抜ける大葉の香り。味も香りも三者三様なのに合わせて焼くとこんなに美味しいなんて。ご主人は「自分で食べてみたらよかったから、出してみた」とサラッと言ってたけど…。
私たちがあまりに美味しいと騒いでいたので、「この桃と日本酒、真似していいよ」と笑いながら言ってくれました。
自宅で挑戦「桃の肉巻焼」
ということで許可をいただいたので、速攻で桃を買い(松本の桃、安くて美味しいよね)、後日試してみました。
もちろんお酒は善哉の。お燗にすべきだけどサボったやつ。
桃とお肉のバランスがお店と違うのはご愛嬌、自作でも美味しくて、すでに3回も試してしまいました。誰かに振る舞ってあげたい。
もちろんお酒は善哉の。お燗にすべきだけどサボったやつ。
桃とお肉のバランスがお店と違うのはご愛嬌、自作でも美味しくて、すでに3回も試してしまいました。誰かに振る舞ってあげたい。
は善哉の。お燗にすべきだけどサボったやつ。
桃とお肉のバランスがお店と違うのはご愛嬌、自作でも美味しくて、すでに3回も試してしまいました。誰かに振る舞ってあげたい。
大好きなお酒と、こだわりのつまった美味しい焼鳥、そして居心地のいい小さなお店。しかも、串はすぐになくなってしまうときたもんだ。
常連さんが常連になる気持ち、わかるなー。私も行きつけにして人に紹介したくなりました。次も早くきて、今度は「全部おまかせ」にしてみたいです。
こんなに素敵なお店を教えてくれて、善哉酒造の女将さん、ありがとうございました! 酒のプロに聞く美味い店シリーズ、これはぜひ続けたいですね。
お店情報
<営業時間>
16:30~21:30
ネタが終了した時点で閉店
早めに閉まるので注意!
<定休日>
日曜日、祝日
<住所・アクセス>
長野県松本市深志1-2- 5
・駅からのアクセス
JR松本駅 徒歩3分
<電話番号>
0263-36-9741
<その他情報>
予約・お取り置き:可・電話連絡にて受付
支払い方法:現金のみ